ボクサーの見ている世界

ボクサーの見ている世界

皆様、お世話になっております。 大阪府堺市中区深井のパーソナルボクシングジム STAY GREEN FUKAIの井岡です。

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今日は少しだけ「みる」ということについて考えてみます。

ボクシングをしていると、いろんな「みる」という力が必要になります。

ボクサーの目には何が見えているのでしょうか?

1秒1秒...いや、0.1秒などの細かい情景の変化があるはずです。

そして、目をカットしたり、晴れたりもします。視界が良好でない時も多い。

そもそも、ボクシングは、ガードを上げた状態やヘッドギアをした状態では、極端に視界が制限されることの多いスポーツです。

ボクサーの見る世界は、果てしなく一般の情景とはかけ離れた世界なのです。

 

私たちの普段の生活では、眼に映るもの、目の前に見えるものを「みる」と感覚的に理解しています。

 

「みる」という言葉にはいろいろな漢字がありますよね。 「見る」「観る」「視る」など。

 

まずは「見る」 これは一般的に眼に映るものが見える様子を表しています。意識しなくても目を開ければ入ってくる情報のことです。

 

次に「観る」ですが、これは注意して意識して物事を「観る」ということです。映画を観るなどで使われますね。

 

そして「視る」ですが、これは絵画や美術の鑑賞などの際に使われます。さらに慎重に細部まで観察する時に使われます。

 

<他にもある「みる」と言う漢字>

例えば、お医者さんに診察してもらうことを「診る」と言います。これは専門的な観点で診察することですよね。

そして、看護師さんや介護士さんなどが看病や介抱する際には「看る」という漢字を使います。

「みる」って本当に奥が深いですよね。

なぜ今回、この「みる」ということに着目したのかと言いますと、私の師匠とマストレーニングをした時に感じたことがきっかけでした。

マストレーニングとは、簡単に説明すると、ボクシングにおける実践を想定した試合形式の練習のことです。

この時に私は、師匠の見えている世界ってどんなんだろうと思って、いつも観察していたのを覚えています。

師匠の眼はいつも、時間をコマ送りにしているように、瞬時に目の前の状況を把握して正確に対応していたからです。

反応速度や反射神経はもちろんなのですが、そもそも反応する前に、ものを「みる」見方が僕とは全然違う気がしていました。

 

例えば、僕は相手のパンチや動作を「見て」判断しているとしましょう。つまり情景が目に入ってから考えて行動に移すので、遅いです。

 

しかし、師匠のように常に集中して注意深く観察しながら「観る」という状況では、次の行動に移すのも早いんです。

 

じゃあ、自分も「観る」をやれば良いじゃないか!...

 

そう思いましたよ僕も。でもね、そんなにすぐに「見る」を「観る」に変換して対応できるものじゃないんです。

あと、ボクシングの世界は、常に「フェイント」の掛け合いや探り合いの世界でもあるんです。

注意深く見れば見るほど、相手の術中にハマってしまう恐れもあります。

つまりただ「観る」だけでもいけない。

 

「観る」+「冷静な判断」が常に必要になるわけです。

 

その時の師匠は、なんとも言えないオーラがあるんです。

そしてそのゾーンに入った師匠を僕はよく「見聞色」と呼んでいました。笑

師匠は全然力出してないんですけど怖いんです。

そしてその「見聞色」は、攻撃じゃなくディフェンスの時によく現れます。

隙がない構えというよりは、こちらが攻めるのをためらうようなオーラを放ちながらこっちを見ているんですよ。

眼で追っているような感じではなく、動くものを全体で捉えるような、何か動物的な本能に近い、ハンターのような眼になるんです。

 

また違う「みる」の漢字を作りたいような、そんな「みる」がボクシングの世界にはあるような気がしました。

カウンターパンチや相手の隙に打ち込むような視点も、格闘技特有の特別な視点だと思いますし、「みる」って本当に奥深いですね。

僕もその境地にいつか達することができたら、またブログで書いてみたいと思います。

 

今日はそんな「みる」に関するお話でした。

 

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

 

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